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呉田 昌俊
流体計測法; 改訂版, p.367 - 371, 2022/04
日本機械学会が流体計測法をまとめた技術資料の改定版を刊行する。本稿は、その応用編の一部であり、進展が著しい先進的な熱流体計測技術を用いた応用事例の紹介が主な内容となっている。「ボイド率分布計測」の章では、機器の内部を流れる気液二相流を対象として、ボイド率分布を中性子線で可視化や計測する技術について解説した。前半は、ボイド率の定義、中性子透過法による計測やCT撮像技術の基本原理について解説した。後半は、様々な混相流の2次元、2次元の時間変化、3次元、3次元の時間変化の順に、可視化・計測結果を示した。
伊藤 大介*; 伊藤 啓*; 齊藤 泰司*; 青柳 光裕; 松場 賢一; 神山 健司
Nuclear Engineering and Design, 334, p.90 - 95, 2018/08
被引用回数:9 パーセンタイル:67.01(Nuclear Science & Technology)多孔質媒体を通過する二相流を理解することは、軽水炉のみならずナトリウム冷却高速炉を対象としたシビアアクシデント解析コードを開発する上でも必要なことである。ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故時には溶融燃料と冷却材が相互作用した結果として、多孔質状のデブリベッド内で気液二相流が形成されると考えられる。このような多孔質媒体中における二相流場の特性を明らかにするためには、局所的な空隙率とその分布を把握することが重要である。本研究では、X線ラジオグラフィを用いて球体充填層内における局所空隙率を測定するとともに、その径方向分布を評価し、従来の空隙率モデルと比較した。さらに、球体充填層内を通過する空気と水の二相流におけるボイド率の径方向分布を得た。
Liu, W.; Jiao, L.; 永武 拓; 柴田 光彦; 小松 正夫*; 高瀬 和之*; 吉田 啓之
Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-11) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/10
原子力機構では、福島事故時炉心露出過程を明らかにするため、また、事故時を対象とした炉心内二相流解析の予測精度の向上を目的として、ワイヤーメッシュセンサーを用い、高温高圧条件(2.8MPa, 232C)下でのバンドル内ボイド率データの取得を行っている。試験装置は、99ワイヤーメッシュセンサーを44の模擬バンドル内に、軸方向2カ所に配置したものである。本研究では、製作したワイヤーメッシュセンサーの計測性能を確認するため、空気-水二相流を用いて大気圧室温条件で試験を実施した。製作したワイヤーメッシュセンサー及び計測システムが正しくボイド率を計測できることを確認すると共に、炉心スクラム後を想定した低流量条件でのバンドル内ボイド率分布及び気泡速度・長さに関する知見を得た。
作花 拓*; Jiao, L.; 上澤 伸一郎; 吉田 啓之; 高瀬 和之
日本機械学会2015年度年次大会講演論文集(DVD-ROM), 5 Pages, 2015/09
二相流解析コードTPFITの気泡流解析に対する妥当性の確認を目的として、燃料集合体内サブチャンネルの形状を簡略模擬した円管流路実験装置を使って、流路内を流れる気泡流のボイド率分布をワイヤメッシュセンサで計測し、解析結果との比較を通してTPFITの予測性能を明らかにした。今回は、隣り合う燃料棒とのクリアランスを一定に保つために燃料集合体内に設置されるスペーサの形状を簡略模擬した障害物を流路内に設置し、スペーサ等の障害物が気泡流の挙動に及ぼす影響を実験的及び数値解析的に評価した。この結果、障害物の存在によって流れが加速されるために障害物周囲でボイド率が急激に上昇することや障害物直後に形成される循環流域に小気泡が巻き込まれて停滞することなど、特徴的な挙動を数値的に解析できることを確認した。
小瀬 裕男*; 高瀬 和之; 吉田 啓之; 叶野 琢磨; 秋本 肇
第18回数値流体力学シンポジウム講演要旨集(CD-ROM), 6 Pages, 2004/12
原子炉における冷却材の複雑な伝熱現象や相変化を含む混相流挙動に関する物理的メカニズムの詳細を数値的に解明し、また、原子炉燃料集合体をフルサイズで模擬した体系下で熱流動挙動の詳細を計算機上に再現することを目的として、地球シミュレータ等を利用した大規模シミュレーション技術の開発を行っている。本報は、技術開発の一環として行った将来型水冷却炉内二相流挙動の3次元予測結果について述べる。本提案の解析手法によって、狭隘流路を有する将来型水冷却炉の燃料集合体内の3次元水-蒸気分布の詳細を数値予測できる見通しを得た。また、気液界面の二相流構造,気泡の合体・分裂メカニズムに関して有益な知見を得た。
呉田 昌俊
可視化情報学会誌, 24(Suppl.1), p.265 - 268, 2004/07
稠密バンドル流路内を流れる沸騰流のボイド率を、中性子トモグラフィ技術で3次元分布を計測、高速度撮像中性子ラジオグラフィ技術で瞬時値分布を計測し、同一流動条件を多角的に可視化観察することで特徴的な現象を抽出した。この2技術をセット("3D"+"2D+Time")で使用した本実験で、以下の点が新たにわかった:(A)時間平均空間分布から高ボイド率スポットが最上流部の狭間隙部で観察された。一方、瞬時値の時系列観察では、正味の沸騰開始点は統計的に広く分布しており、定常的な高ボイド率スポットは認識できなかった。(B)時間平均空間分布から"Vapor Chimney"現象が観察された。この現象を、瞬時値の動画表示で連続性に注視して観察すると、三角形状の流路部に連続した蒸気通路が形成されているとは限らず、広い条件範囲で蒸気泡・スラグが群を成して間欠的に流れていることがわかった。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*
第23回日本シミュレーション学会大会発表論文集, p.121 - 124, 2004/06
革新的水冷却炉の稠密燃料集合体内二相流挙動を大規模計算によって予測する研究を行っている。今回の解析では、燃料集合体入口の流速,ボイド率等を種々に変えて行い、複数燃料棒まわりの液膜流挙動に関して、次のような定量評価が得られた。燃料棒の外周は薄厚の液膜で覆われ、その外側を蒸気が流れる。燃料棒間隔が狭い場所では、隣り合う燃料棒が液膜によって接続される架橋現象が見られる。また、蒸気は燃料棒三角ピッチ配列の中心部をストリーク状に鉛直方向に流れる。この領域は狭隘部に比べて摩擦抵抗が低いため、蒸気は流れ易いからである。さらに、一連の解析結果は、実験結果の傾向とよく一致することがわかった。
呉田 昌俊; 玉井 秀定
Proceedings of 5th International Conference on Multiphase Flow (ICMF 2004) (CD-ROM), 10 Pages, 2004/06
低減速軽水炉炉心内のボイド率分布特性を調べるため、中性子ラジオグラフィ3次元計測技術(中性子トモグラフィ)を用いて、稠密7本バンドル試験体内を流れる沸騰流の詳細な3次元ボイド率分布を計測した。本試験体は、低減速軽水炉を模擬したもので発熱棒径が12mm、棒間ギャップが1mmである。本報では、中性子トモグラフィシステム,実験結果及び、サブチャンネル解析コードであるCOBRA-TFと実験値の比較結果に関して述べる。実験は、研究用原子炉JRR-3炉室内で実施し、新開発の中性子トモグラフィアルゴリズムにより空間解像度が0.1-0.2mm/pixelと高精細でボイド率の空間分布データを測定している。本実験結果から、液膜が狭い領域に集まりやすいこと,蒸気が流路中央部に集まりやすいことなどがわかった。また、COBRAコードはボイド率を高めに計算する傾向があることがわかった。
小瀬 裕男*; 高瀬 和之; 吉田 啓之; 叶野 琢磨; 呉田 昌俊; 秋本 肇
第41回日本伝熱シンポジウム講演論文集, 2 Pages, 2004/05
原研が開発を進めている低減速軽水炉を対象として、稠密燃料集合体内の二相流挙動を直接解析によって予測する研究を、地球シミュレータによる大規模シミュレーションによって行っている。本研究では、熱の影響がない非加熱等温流条件に対して、低減速軽水炉の炉心条件をもとに燃料集合体入口の流速やボイド率を変えて一連の解析を実施し、次の傾向の予測に成功した。(1)燃料棒表面が薄厚の液膜で覆われる,(2)燃料棒間隔が狭い領域で液膜の架橋現象が起こる,(3)蒸気は燃料棒間隔が広い三角ピッチ中心部をストリーク状に流れる。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 玉井 秀定; 秋本 肇
Transactions of the American Nuclear Society, 89, p.88 - 89, 2003/11
筆者らは低減速軽水炉の炉心内二相流特性を直接解析による大規模シミュレーションによって解明する研究を行っている。熱の影響がない非加熱等温流条件に対して、低減速軽水炉の炉心条件をもとに燃料集合体入口流速,ボイド率等をパラメータとして一連の解析を行い、次の結論を得た。(1)小さな気泡が合体して成長した大きな気泡は、一度壁に接触すると表面張力により壁表面に沿って下流へと移動する。(2)大きな気泡は大きくなりすぎると気液界面に生じるせん断力によって小気泡に分断される。(3)炉心三角ピッチ配列の中心領域は燃料棒間狭隘部に比べて流動抵抗が低いため、大きな気泡は次第に三角ピッチ配列の中心領域に凝集しながら下流へと移動する。(4)スペーサ領域で大きな気泡は多くの小気泡に分断され、その結果スペーサ後流の水平方向のボイド率分布は均一化される方向にある。(5)低減速軽水炉における気泡の運動は流れ方向への直線的な移動が支配的であり、ボイドドリフトの影響BWR炉心よりも小さい傾向にある。
呉田 昌俊
噴流工学, 20(2), p.24 - 31, 2003/07
中性子ラジオグラフィ技術とコンピュータ断層撮影技術(CT)、そして二相流計測法を融合して原研が独自に開発した中性子トモグラフィ熱流動計測技術に関して解説した。本技術は、低減速軽水炉の燃料集合体内の蒸気割合を3次元で計測し、詳細熱流動解析コードの検証用データを整備することを目的として開発した技術である。本技術は、中性子線が水の中で減衰しやすい特性に着目した技術で、中性子ラジオグラフィ技術をベースとすることで、金属製の複雑な流路内の水の空間分布を流れを乱すことなく高精度(空間分解能が0.1mm)で計測できる。本稿では、原研が開発した中性子トモグラフィシステム,中性子ラジオグラフィ像を用いて2種類の断面再構成計算法を比較した結果、そして稠密バンドル流路内を流れる空気/水二相流と沸騰流の気相割合を計測した例を記した。
柴本 泰照; 佐川 淳*; 井口 正; 中村 秀夫
JAERI-Tech 2003-056, 29 Pages, 2003/06
原研では、THYNC装置を用いて核熱結合安定性試験を行っている。これは、電気ヒーター炉心によってボイド反応度フィードバックを実験的に再現するもので、シミュレーションには沸騰流路の平均ボイド率計測が重要な役割を果たしている。低周波の交流信号を沸騰流路内に印加し、気液二相流路内の二電極間電気インピーダンスを瞬時計測することでボイド率見積もりを行う。交流信号は、整流回路を用いて振幅の変化を直流信号として取り出される。初期の設計段階では整流回路の時定数が大きく、計測系の遅れが問題となっていた。炉心動特性模擬の観点でからは、ボイド率検出部の遅れは無視できるほど小さくする必要がある。本研究では、全波整流とピークホールド回路を組み合わせた回路を作成し、整流の遅れに対する問題を解決した。これは、位相遅れなしにキャリア周波数成分を低減できる方法として有効であった。
呉田 昌俊
可視化情報学会誌, 23(89), p.21 - 26, 2003/04
中性子源と高速度デジタルビデオカメラを使用した高速度撮影中性子ラジオグラフィによるボイド率計測技術を開発した。本技術は、狭い流路内の微量の水を測定できる長所がある。本実験では、1125フレーム毎秒を目安として瞬時ボイド率の測定と流動観察を行った。他法では測定が困難であった狭い矩形流路内を流れるサブクール沸騰流と将来型原子炉の炉心を模擬した稠密バンドル流路内を流れる二相流を、流れを乱さずに約1ミリ秒の時間分解能で測定できた。得られたボイド率データを動画観察することで、蒸気泡の発達過程などの現象を詳細に把握できた。また、測定データは、将来型原子炉の熱設計手法の開発や検証に役立てられた。
呉田 昌俊; 日引 俊*; 三島 嘉一郎*; 秋本 肇
International Journal of Heat and Mass Transfer, 46(7), p.1171 - 1181, 2003/03
被引用回数:13 パーセンタイル:49.16(Thermodynamics)ボイド率と沸騰開始点の実験データ及びシステムパラメータの影響評価が、高熱流束限界熱流束予測モデルの検討を進めるうえで必要であった。そこで著者は、中性子ラジオグラフィ高速度撮像法によるボイド率計測技術を開発し、サブクール沸騰流の瞬時ボイド率及び時間平均ボイド率を計測し、ボイド率データベースを蓄積してきた。本研究では、瞬時ボイド率の計測結果から瞬時及び時間平均の沸騰開始点を求め、システムパラメータが沸騰開始点での熱平衡クオリティに及ぼす影響を評価した。評価の結果、システムパラメータの影響が小さいことがわかった。次に、既存の沸騰開始点評価式の短加熱長矩形流路への適用性を検討し、既存の評価式は沸騰開始点での熱平衡クオリティを過小評価することを示した。また、沸騰開始点の評価が限界熱流束モデルによる限界熱流束予測に及ぼす影響を試算し、予測精度が向上することを示した。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 秋本 肇
Fusion Engineering and Design, 63-64, p.429 - 436, 2002/12
被引用回数:5 パーセンタイル:34.51(Nuclear Science & Technology)本報は、核融合炉条件に適用できるように改良したTRACコードを用いて、核融合実験炉の圧力抑制システムを縮小簡略モデルで模擬した試験装置の体系で実施した冷却材侵入時の水-蒸気系二相流挙動に関する3次元詳細解析の結果について報告する。本解析により、圧力抑制システム内部の水と蒸気の分離流挙動が初めて明らかになり、圧力抑制システムを構成する各種要素内のボイド率と侵入水量,侵入水温度,壁温度との関係を定量化できた。一連の解析の結果から、現状の圧力抑制システムの設計の考え方は十分妥当であることを証明した。また、模擬試験結果との比較から改良TRACコードが高い予測精度を有することがわかった。
松林 政仁
非破壊検査の最前線 (CD-ROM), 7 Pages, 2002/00
中性子撮影はX線撮影と同様に放射線透過を利用した非破壊検査法である。中性子撮影には中性子源,コリメータ及び撮影システムの3要素が必要とされる。中性子源として現状、国内最高性能を有しているのは研究炉JRR-3Mであり、JRR-3M中性子ラジオグラフィ装置が設置されている。本書では、現時点におけるJRR-3M中性子ラジオグラフィ装置を概説し、装備されている撮影システムを紹介した。応用研究で広く利用されている冷却型CCDカメラを用いた高解像度撮像システム及び高速度カメラを用いた高速度撮像システムに加えて、開発中であるFOP-CCDイメージングを取り上げ応用例を交えて紹介した。さらに最近の研究成果として、電気化学分野からイオン伝導性セラミックスへの応用及び水素吸蔵合金中の水素の拡散過程の可視化,原子力関連分野から被覆管中の水素挙動可視化及び稠密バンドル流路内環状流のボイド率測定を紹介した。
呉田 昌俊; 秋本 肇
Proceedings of 10th International Symposium on Flow Visualization (ISFV-10) (CD-ROM), 8 Pages, 2002/00
原研では、中性子ラジオグラフィを用いたボイド率計測技術を開発した。本研究では、開発した中性子ラジオグラフィ高速度撮像法(HFR-NR)を稠密バンドル内を流れる空気-水二相流のボイド率計測に適用し、アルミニウム容器内を流れる水の挙動を可視化した。試験体は低減速スペクトル炉の炉心形状を模擬しており、棒外径が12mm,棒間ギャップが1mmの7本バンドルである。「流れの可視化国際会議」では、HFR-NRシステム及びボイド率の時間変動(水の挙動の500~2250フレーム/秒で可視化した結果)に関して報告する。本研究により、低減速スペクトル炉を模擬した条件でのボイド率の変動幅は10%であり、流路周辺部やスペーサの上下に水が溜まりやすい傾向があることがわかった。また、数値解析コードで計算されるボイド率の検証に資するため、ボイド率マップを作成した。
呉田 昌俊; 秋本 肇; 日引 俊*; 三島 嘉一郎*
Nuclear Technology, 136(2), p.241 - 254, 2001/11
被引用回数:11 パーセンタイル:61.93(Nuclear Science & Technology)サブクール沸騰流のボイド率分布を中性子ラジオグラフィ高速度撮像法により計測した。本報では、(1)瞬時ボイド率及び時間平均ボイド率の計測誤差を実験的、解析的に総合評価し、(2)計測結果をもとに流動パラメータがボイド率に及ぼす影響を評価することを目的とした。瞬時ボイド率(計測時間=0.89ms)の計測誤差(標準偏差/平均値)は18%以内であり、誤差最大条件で誤差の44%が中性子数の統計的変動誤差に起因し、36%が画像増幅ノイズに起因し、18%が蒸気泡の移動に起因することを実験及び解析から明らかにした。また瞬時ボイド率データをもとに時間平均ボイド率を求め、この計測誤差が2%以内であることを示した。瞬時ボイド率分布の時間変化量から気泡情報(寸法、移動速度等)を計測するとともに、流動パラメータが時間平均ボイド率に及ぼす影響を計測しボイド率マップを作成した。本研究により、中性子ラジオグラフィ高速度撮像法による沸騰流のボイド率計測技術を確立し、サブクール沸騰流中のボイド率特性を明らかにした。
呉田 昌俊
KURRI-KR-70, p.136 - 147, 2001/10
原研熱流体研究グループが研究開発を進めてきた中性子ラジオグラフィによるボイド率計測に関する結果と現状を報告する。はじめに、片面加熱矩形流路内サブクール沸騰流中のボイド率計測に関する結果を、次に稠密バンドル流路内での空気-水二相流中のボイド率計測に関する結果を示す。高時間分解能(時間間隔0.89ms)で計測した瞬時ボイド率分布をアニメーション表示することで、時間平均ボイド率の分布形状の変化が気泡の合体に起因することを示す。得られたボイド率データにより限界熱流束研究が進展した。バンドル流路内の空気-水二相流中のボイド率変動を計測し、ボイド率実測値が、ドリフトフラックスモデルにより良好に相関できた。並列計算技術を導入することにより処理時間の飛躍期短縮が可能となることを示す。
呉田 昌俊; 日引 俊*; 三島 嘉一郎*; 秋本 肇
日本機械学会論文集,B, 67(661), p.2295 - 2303, 2001/09
中性子ラジオグラフィ高速度撮像法をサブクール沸騰流の瞬時ボイド率及び時間平均ボイド率の計測に応用した。本研究では、瞬時ボイド率の計測結果から瞬時及び時間平均の正味の沸騰開始点を求め、熱流束、質量速度、入口水温、また流路間隙が沸騰開始点の熱平衡クオリティに及ぼす影響を評価した。これらシステムパラメータが沸騰開始点の熱平衡クオリティに及ぼす影響は、本実験範囲内では小さいことがわかった。次に、既存の正味の沸騰開始点評価式の短加熱長矩形流路への適用性を検討した。既存の評価式は、正味の沸騰開始点の熱平衡クオリティを過小評価することがわかった。また、正味の沸騰開始点評価が限界熱流束モデルによる限界熱流束予測に及ぼす影響を試算し、Saha-Zuber式による沸騰開始点評価式を実験式に置き換えることで限界熱流束の予測精度が向上することを示した。